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  • Author後藤比奈夫
  • Publisherふらんす堂
  • ISBN9784781406411
  • Publish Date2013年12月

後藤比奈夫 / ベスト100

◆1 花おぼろとは人影のあるときよ 阪急宝塚駅から歌劇場まで、花の道があって雪洞が吊されていた。その道の尽きるあたりに数本の楓があり、楓にも雪洞が吊されていたので、まず「楓にも花のつづきの雪洞を」という句が出来た。夜桜を見る会であったが花冷のする夜で、人通りも少く桜がちぢかんで見えた。そんな所へ若い男女が現われた。花おぼろという言葉が頭を掠めたのであった。(『初心』昭和二十九年)

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