強大な権勢をふるいながら、やがて急坂を転落するように滅んでいく平家一門。その運命の奔流のなかで、戦場で源氏を苦しめ、鮮やかな武者ぶりを示す青年武将があった。"最後の御大将"と呼ばれた清盛五男・平重衡である。父清盛の独裁政治に疑問を抱き、その没後は棟梁宗盛の狭量に悩みながら、自らはつねに最前線で戦い続けた男-。その真実の姿に迫る力作長編小説。