• Author多和田葉子
  • Publisher講談社
  • ISBN9784062176309
  • Publish Date2012年4月

雲をつかむ話

犯人と出遭った心躍る話は、みんなに話してきかせたくなる。エルベ川沿いの家を訪ねてきた背の高い男。ブレーメン出身の「鱒男」。路面電車で見た双子の片割れ。本名で呼ぶことのできない「マボロシさん」……。雲を見ていると「互い違い」な出遭いの数々が浮かんでくる。野間文芸賞受賞後第一作、待望の長編小説。
人は一生のうち何度くらい犯人と出遭うのだろう――。
わたしの二ヵ国語詩集を買いたいと、若い男がエルベ川のほとりに建つ家をたずねてきた。彼女へのプレゼントにしたいので、日本的な模様の紙に包んで、リボンをかけてほしいという。わたしが包装紙を捜しているうちに、男は消えてしまった。
それから一年が過ぎ、わたしは一通の手紙を受け取る。
それがこの物語の始まりだった。

>> 続きを表示

Recently borrowed books by this book borrower.

  • ぼくはウーバーで捻挫し、山でシカと闘い、水俣で泣いた
  • 本屋で待つ
  • 雨天炎天 改版 / ギリシャ・トルコ辺境紀行
  • しろがねの葉
  • 夕暮れに夜明けの歌を / 文学を探しにロシアに行く
  • ぼくモグラキツネ馬
  • スイート・ホーム
  • 街場の文体論
  • 晴れた日は巨大仏を見に
  • 縁食論 / 孤食と共食のあいだ