昭和18年、壮絶な玉砕で知られるアッツ島の隣島キスカからの撤退は、完璧に成し遂げられた。陸海軍将兵5183名の全てを敵包囲下から救出したのだ。指揮を執ったのは、木村昌福。海軍兵学校卒業時の席次はかなりの下位。だが、将たる器とユーモアをそなえ、厚く信頼された男だった。彼の生涯と米軍に「パーフェクトゲーム」と言わしめた撤退作戦を描く。