スペイン・バスク地方の貴族の子として生れて武術の修行に励んだ勇敢な青年騎士イグナチオ(1491‐1556)は、その後、数奇な運命をたどってヨーロッパの歴史を大きく変革するほどの人物にまで成長する。本書は、彼が晩年に口述し、カマラ神父が筆記した自伝。抑制の利いた語り口で、その成長過程が明晰に描かれている。