自傷行為は、本人にとって声にならない叫びであり、背景には、自分を確かなものとして捉えられない不安、他人と適切な関係を築くことができない辛さなどが隠されている。リストカットだから死にはしないという思い込みは危険。周囲の反応がリストカットの回数を増やすこともある。周囲はどうすべきか、本人はどう向き合っていけばよいか。回復に向けてできることを自傷行為の背景など基本的な知識とともに紹介する
ひと目でわかるイラスト図解
《講談社 健康ライブラリーイラスト版》
【リストカット・自傷行為の背景と対応法を専門医が徹底解説】
心の痛みを体の痛みでまぎらわせたい……。
自傷行為は、助けを求める本人の悲痛な叫び。
声にならない叫びにあなたはどう応えるか?
リストカットなど、自らを傷つける自傷行為は近年増加する一方。
しかし「気を引くためだ」という誤解をまねくことも多い。
その背景には何が隠れているのか。
自傷行為の正しい理解と対処法をやさしく解説する。
【本書の主なポイント】
●強い怒りや不安、空虚感など自傷行為に至る気持ちはさまざま
●自傷行為には、助けを求める強いメッセージが隠されている
●家族や友人とのトラブルが引き金になることが多い
●自傷行為は繰り返しやすいが、「周囲の気を引くため」の行動ではない
●リストカットだから死にはしないという思い込みは危険。自殺未遂との区別がむずかしい場合も
●うつ病や境界性パーソナリティ障害は、自傷行為を伴うことが多い
●周囲の反応がリストカットの回数を増やすことも。対応法の注意点とポイント
●回復はゆっくり。本人も周囲も、あせらず、決してあきらめないこと
【本書の構成】
第1章 リストカットへの誤解を解く
第2章 周囲の人はどうすべきかを知る
第3章 「私」を取り戻すために本人ができること
第4章 治療について知っておきたいこと
第5章 自傷行為を伴いやすい病気