「見えぬけれどもあるんだよ、見えぬものでもあるんだよ」(「星とたんぽぽ」)。大正末期、彗星のごとく登場し、悲運の果てに若くして命を絶った天才童謡詩人・金子みすヾ。彼女は子どもたちの無垢な世界や、自然や宇宙の成り立ちをやさしい詩の言葉に託し、大切な心のありかを歌った。いま、歴史の闇に散逸した幻の名詩が再び発掘者の手でテーマ別に編まれた。殺伐たる時代の中で、もう一度目に見えぬ「やさしさ」や「心」を見つめ直すために。
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