明治、大正、昭和、平成と生き抜いてきた女流作家が、波乱の人生行路を率直に綴る。山口県岩国の生家と父母の記憶から書き起こし、小学校代用教員の時の恋と初体験、いとことのはじめての結婚、新聞懸賞小説の入選、尾崎士郎との出会いと同棲、東郷青児、北原武夫とつづく愛の遍歴。「スタイル」社の束の間の隆盛と倒産のように時代の波にも揉まれながら、たゆみなく創作をつづけ、ひたむきの前を向いて歩いてきた姿が心を打つ。その生き方のなかに、長寿の秘訣もかいま見える。
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