和歌山県の"路地"と呼ばれる被差別部落に私生児として生まれた中上健次。彼はいかなる宿命を背負い、作家となったのか。肉親、同級生、新宿の荒くれ時代の仲間、担当編集者などへの取材を通して、中上健次という作家の「核」を説得力のある言葉であぶりだす。現代文学の巨人の生と死を渾身の筆で描いた傑作評伝。