那須高原のはずれの、ひなびた町で暮らしはじめた転校生オサム。全く生活力のない画家の父、一家を背負うしっかり者の母、漫画家を夢見る兄。家は貧しく、子どもなりのいろいろな苦労があったけれど、毎日が冒険に満ちていた…。栃木の豊かな自然を背景に、少年オサムの成長をみずみずしく描いた、自伝的小説。第10回坪田譲治文学賞受賞作。