明治維新の立役者の一人、岩倉具視。下級公家に生まれ、クーデターの画策などで何度も追放されながら、いかに権力の中枢にのし上がったのか。長年構想を温めてきた著者が、卓越した分析力と溢れる好奇心で史料と対峙。「尊王攘夷」「佐幕」といった言葉を剥きながら、新たな岩倉像を立ち上げた永井文学の集大成。第50回毎日芸術賞受賞。