一九九二年三月、ヒマラヤの山やまにいだかれたブータン王国で、ひとりの日本人のお葬式がいとなまれていました。その人の名は、西岡京治。日本から夫人の里子と共にやってきて二十八年め、京治はこの地で生涯をとじたのです。国王をはじめ、あらゆるブータン国民が、京治の死をかなしみ、なみだをながしました。西岡京治は、ブータンの人びとに心から愛された日本人です。小学中級以上むき。