世界中で、その演奏と人柄が愛されているピアニスト辻井伸行。幼いころから天才といわれ続けてきましたが、ここへ至る道は、けして平坦なものではありませんでした。
視覚障害をもつ息子に最善の道をと心をくだく明るい母。一人でも生きていけるようにと厳しく接する父。彼の演奏に魅了され、その才能を自由にのばそうと尽力した恩師。同じ音楽の道を進もうとする友人たちや、コンクールの審査員、そして、コンサートの聴衆--。
さまざまな人たちが、辻井伸行その人の魅力のとりこになり、また、そのピアノの音色に心うたれ、そのことがまた彼の活躍の舞台を広げていきます。
生後8カ月で、スタニスラフ・ブーニンが演奏するショパンと、ほかの演奏家のショパンとを聞き分けることができたという辻井伸行。
その強さ、明るさの秘密は、生まれ落ちたときからの、音楽に対する強い愛にあったのです。
*2001年に児童図書出版から刊行され、課題図書にもなった同名の単行本の、待望の青い鳥文庫化
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