「乱心ではない。遺恨だ」御徒目付の片平伊兵衛は組頭の首を刎ねた後、そう呟くと、自らの喉を掻き切った。真相を追う弟の伊之助は、兄の無念を晴らすべく、仇の屋敷に乗り込んでいくが…。背後に蠢く悪に、同心・音之進の直心影流の剣が唸る、シリーズ第三弾。