• 著者佐藤正午
  • 出版社小学館
  • ISBN9784094063295
  • 発行2016年10月

永遠の1/2

小説界のカリスマ、不朽不滅のデビュー作!

どんな小説家にも、一つだけ、アマチュアとして書いた小説がある。 ないと始まらない。 その小説が人目に触れ、本になるとデビュー作と呼ばれ、書いた人は小説家と呼ばれるようになる。――「あとがき」より

現代作家の中でも群を抜く小説の名手――佐藤正午の不朽のデビュー作を、新たな装いで文庫化!

【物語】 失業したとたんにツキがまわってきた。 婚約相手との関係も年末のたった二時間で清算できたし、年が明けると競輪は負け知らず、失業保険も手つかずのままで、懐の心配はこれっぽっちもなかった。 おまけに、色白で脚の長い女をモノにしたのだから、ツイてるとしか言いようがない。いってみれば笑いが止まらぬというところだった。

「西海市」にすむ主人公・田村宏は、27歳の年の暮れに退職届を出して以降、ツキを頼りに何もかもうまく行くかに思われた。 ところがその頃から、たびたび街で別人と間違われ、厄介な相手にからまれ、ついには不可解な事件に巻き込まれてしまう。どうやら自分と瓜二つの男がこの街にはいるらしい‥‥。

【山田風太郎賞受賞の最近作『鳩の撃退法』への選評から】 ●文句なしの最高得点を入れた。真似したくても真似できない。(夢枕獏さん) ●試みが図抜けていたことは、疑いようがない。(京極夏彦さん) ●自分もこの作品を一番に推した。(奥泉光さん) ●こんな優れた作家の存在を今まで知らなかった。受賞は当然であろう。(筒井康隆さん)

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