17世紀フランスのモラリストの生涯と思想。17世紀、争乱のフランス。屈指の名門貴族に生まれ、武人として戦闘と恋愛と陰謀と失意に明け暮れたフランソア・ド・ラ・ロシュフーコー。戦いと陰謀の渦より身を引き、文人として稀有の才を発揮する後半生。「二ツ折りの紙」のように折り重なったラ・ロシュフーコーの波瀾に富んだ生涯を、文明と歴史の変容を見すえつつ、練達の筆が追う。