• 著者三遊亭圓生(6代目)
  • 出版社小学館
  • ISBN9784094063875
  • 発行2016年12月

浮世に言い忘れたこと

昭和の大名人が語る芸、寄席、粋な生き方

昭和の大名人、六代目三遊亭圓生が軽妙な語り口で魅せる随筆集。噺家や落語ファンだけでなく、せわしない現代を生きる多くの人々にも様々なヒントを与えてくれる良質の伝書である。 五十八編、四部構成。芸に対する心構えを説き、芸のむずかしさ、基本や勉強の大切さなど落語の奥義を伝える「人情浮世床」。落語の歴史や寄席への思い、寄席の四季折々の風物詩などについて綴る「寄せこしかた」。圓喬、金語楼、志ん生ら噺家はもとより、同じ時代を過ごした芸人たちを振り返る「風狂の芸人たち」。好きな食べ物から着ものの着こなしにおける自説を述べる「本物の味」。 「世の中、ソロバン勘定だけでは、つまらないものになる」「基礎の出来ていない者は、そこからは絶対にはい上がれない」「逆境に陥ったときにくじけるような人間は成功しない」「何よりもまず、芸に品格があること」「銭金じゃなく、じっと我慢して、おのれ自身に芯をつくる」「イキとヤボは紙一重」――。 ときに優しく、ときに厳しい言葉で紡がれる提言の数々、“あたくしの思い”からは、芸に生きる者の覚悟が伝わってくる。

【編集担当からのおすすめ情報】 明治、大正、昭和を生き、持ち噺の多彩さ、人物描写の見事さで知られる大名人による提言書。読み応えのある生きた言葉の数々がとても参考になり、落語に興味がない人にも、粋に生きることのカッコよさを教えてくれます。また、当時の大衆文化にも浸ることができ、落語史としてもじつに貴重。ときに優しく、ときに厳しい言葉で紡がれる“あたくしの思い”は一読の価値あり。ぜひとも後世に伝え残したい一冊です。

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