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  • 著者中川織江
  • 出版社講談社
  • ISBN9784062179157
  • 発行2012年12月

セッシュウ! / 世界を魅了した日本人スター・早川雪洲

全米を代表するアイドルとなり、ブロードウェーで主役を張り、フランスで国賓待遇として映画を作り、「永遠に保存されるべき名画」の主演俳優でもある――世界を舞台に一流スターとして君臨し続けた男。日本人が知らない超有名日本人を知るため、7年を費やして完成した超大型評伝。
スケールが大きく、一流を好み、豪華で、賭け事が好きで女好き。長命で、生涯現役だった国際スター雪洲は胸も肩も張って生きた。こんなに力強くて魅力的な人はいない。と思ったら、じつはとても無口で、電話口ではいつも、あー、うーとしか言わず、家族にくすくす笑われていた。
アメリカ、日本、ヨーロッパと世界中をわが家のように活躍した雪洲。あまりにも行動範囲が広くて、追いつけない。アメリカのカリフォルニアでは大学教授が雪洲研究をしている。フランスでは雪洲の演技は俳優の原点と評価されているくらいだから研究されているだろう。
私は、日本にいて、どこまでも雪洲を追いかけ、後についていこう。足で歩き、バスに乗り、ある時は午前と午後に一本しかないバスを待った。またある時は、待合所で最終バスを待っていたけどいつまでたっても来ないことがあった。バスが、私を積み残して、遥か先へ行ってしまったのだ。バス会社が手配してくれたタクシーで、バスを追いかけて夜道を驀進、追いついてバスに飛び乗り、ようやく宿にたどり着いたこともあった。またある時は、焼け焦げそうになりながら、砂漠のような房総の真夏の砂浜を歩いた。強烈な紫外線が目を焼く。雪洲の故郷だからこそで、雪洲が私に近づいてくる気配がした。そうでも思わなければ灼熱の中を歩けるものではない。
20歳代の美形で世界の恋人になり、70歳代のオヤジ顔でアカデミー賞にノミネートされた、あっぱれ雪洲。日本人男性のサムライ・イメージを世界に発信し続けた面白さと魅力を丸ごと伝えたい。ようやく最初のトンネルを抜けた。これからも雪洲への長旅を続けようと思う。 
(著者)
『戦場にかける橋』で日本人男性初のアカデミー賞にノミネートされた元祖国際俳優――。
早川雪洲についてはその程度のイメージしかない読者にも、その人生の面白さ・凄さを存分に伝えたい。
7年の歳月をかけて徹底的に歩き、調べた「雪洲」評伝の決定版。

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