世界の埋もれた名画を発掘・上映する"エキプ・ド・シネマ"運動を主宰する岩波ホール総支配人・高野悦子氏。父の急死のあと十一年余、母を介護し、認知症から奇跡的に救い出した。明治生まれの母の自立した精神とその人生を思い、映画に励まされながら、母がかなえられなかった夢を自らの夢として歩みつづける半生をふりかえる。