本書は、インド仏教の衰亡をメインテーマに据えたおそらく世界最初、少なくともわが国においては最初の書物である。ではなぜ仏教はインドの地で衰亡してしまったのであろうか。この問いは、不思議と日本はおろか、世界でも真剣に検討されてこなかった。本書はこの問いに真正面から取り組んだ著者十数年間の苦闘の成果である。