星野道夫が遺した、魂の旅の記録。
「ぼくは、深い森と氷河に覆われた太古の昔と何も変わらぬこの世界を、神話の時代に生きた人々と同じ視線で旅をしてみたかった」――
アラスカに伝わる〝ワタリガラスの神話〟に惹かれて始まった旅は、1人のインディアンとの出会いによって、思いもよらない方向へ導かれ、それはやがてアラスカからアジアへの、遠大な帰郷の航海となる。
未完に終わった雑誌連載に、2回のシベリア取材の際に記された著者の日誌を加え、1冊にまとめたものが、没後21年を経て、初めての文庫化。
カラー写真満載。 解説・池澤夏樹