アーサー・C・クラークとスタンリー・キューブリックは、1968年に公開された映画『2001年宇宙の旅』のなかで、スーパーコンピュータHALを創造した。いっさいのエラーを犯さないとされていたが、矛盾した命令に引きおこされた葛藤によって、HALは最大のエラー、殺人を犯し、全接続を絶たれてしまう。しかしHALは、人間に近いコンピュータをつくろうとした人類の夢を、その莫大な遺産としてわれわれに残した。今HALの遺産を研究することによって、われわれは21世紀のコンピュータ・テクノロジーの驚くべき姿をそこに発見することになるのである。新世紀、はたして機械は人間のような知性を持つようになるのか?16人の現代の叡知が、その該博な知識を駆使してこれを徹底検証した、最先端コンピュータ・ノンフィクション。カラー写真、図版満載。