かつて「日本映画」があった。少年の日に小田原で観た戦争映画、敗戦の色濃い東宝撮映所、『七人の侍』の苛酷な、しかし面白く少し哀しい助監督体験、成瀬巳喜男や豊田四郎等、気難しくも個性的な監督の鮮烈な印象をまるで映画の名シーンのごとく綴ったドキュメント・エッセイ集。書下ろし150枚を含むオリジナル版。