すべての産業、技術を保持し、開発から量産に至る全過程に展開する「フルセット型産業構造」は、日本の成長の原動力であった。しかし今、鋳造、機械製作など基盤的技術の崩壊によってこの構造は解体に向かっている。日本産業再活性化の道をどこに求めるか。現在までの発展を支えた中小企業の分析を基に、技術の集積構造の現状と未来を探り、東京圏と地方圏、近隣諸国とくに中国との機能の持ち合いによるアジア・ネットワークを提唱する。