一九二九年の大恐慌いらい、資本主義世界の経済運動は、ケインズをぬきにしては理解できなくなった。「新しい経済学」あるいは「ケインズ革命」とよばれるケインズの思想と理論が、イギリス社会の現実のなかから、いかにして生み出され、それが、従来の経済学の体系を、そして資本主義の現実をどのように変えていったかを明らかにする。