鎌倉幕府に対し単独で兵を挙げた楠木正成は、一千の兵で千早城に篭り、数万の軍からの攻めを半年以上も凌いできた。この楠木軍の奮闘が、反幕府の精神的な支えとなり、隠岐に配流されていた後醍醐天皇が、島からの脱出を決意する。厳重に警護されている天皇を連れ出し、小さな舟で激しい海流の中を進む、無謀ともいえる脱島計画は成功するのか!?血の匂い立つ激動の時代を描いた、歴史大河小説。