いつもと違う時刻に就寝の挨拶にやってきた伜。まさかあの味気ない会話が親子今生の別れになるとは-。翌日、三島由紀夫は自ら生涯を閉じた。生き急いだ彼を、肉親はいかに見つめていたのか。毒舌家で知られた実父が、独特の諧謔を連ねつつも、愛息の誕生から「事件」まで、無念の思いを滲ませて描いた回想の記。