ライヴァルを倒し、記録に挑み、ひたすら戦いつづけることで王座を手にした男たちも、やがてはその頂点から降りざるをえない時がやってくる。彼らの呻き、喘ぎ、呟き、そして沈黙が、今ふたたび「敗れざる者たち」の世界に反響する。久方ぶりに沢木耕太郎が贈る、勝負にまつわる男たちを描いた五つの短篇。