亡父の跡を継いで出版社社長を勤める四十歳の桂子さんは、夫の急逝に見舞われる。フロッピイに記憶された夫の遺言。彼との関係が疑われるどこか危うげな女たち。未亡人となった桂子さんの前に出現した謎の財界の大物と或るプロジェクト-。竹林の別荘、豪奢な邸宅、上流階級が集う秘密クラブで繰り広げられる濃密な。華麗典雅な筆致で描く、知的刺激に満たち倉橋ワールド。