• 著者中島峰広
  • 出版社古今書院
  • ISBN9784772213462
  • 発行1999年2月

日本の棚田 / 保全への取組み

忘れ去られてきた棚田が、近年瑞穂の国であるわが国土の原風景などともいわれ、光を当てられるようになった。こうした動きは、棚田が米を取り囲む厳しい生産環境や、担い手の高齢化などにより放棄され、山村を荒廃させる一因になっている危機的状況に警鐘を鳴らそうとする意図から生まれたものである。そして、農民の経済的効率を無視した多大の経費と労力により造成された「農民労働の記念碑」、「日本のピラミッド」ともいわれる歴史的文化遺産としての価値の評価、日本の原風景ともいわれる美しい景観への郷愁や環境を保全する立場、あるいは農水省の環境を視野に入れた具体的な助成事業の展開などが、棚田への関心を一層高めているのである。

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