押忍正義は凶悪犯罪を扱う捜査検事として京都地検に赴任する。赴任早々、西陣帯の老舗・菊田帯の当主、菊田道夫が階段の下に転がり落ちて死んでいるのが発見された。捜査の先頭に立つ押忍は、美しい帯を織る老舗のなかに、愛憎の糸が縺れる複雑な人間関係があるのを突き止める。愚直なまでに粘り強く謎を追う検事が辿り着いた、真犯人の哀しみと人間の業とは!?-。