平安びとの円熟した機知とユーモアをうかがわせる日本最古の短篇物語集。毛虫をこよなく愛するお姫様を主人公とした「虫めづる姫君」、悲劇から一転、めくるめく展開の末に喜劇として幕を閉じる「はいずみ」など、シンプルなタッチで軽妙に描く十篇。平成九年度文化庁メディア芸術祭マンガ部門大賞受賞。