軍事大国路線を突き進んだ近代日本は、やがて敗戦によって破綻した。この歴史の歩みを、いま私たちはどう捉えなおすべきか。日本国憲法こそ小国主義の結実とする著者は、小国論の視座から、まず『米欧回覧実記』を検討し、植木枝盛・中江兆民らの主張、三浦銕太郎・石橋湛山の議論をたどりながら、日本近代史の全体像を描きなおす。