永井荷風、高見順、伊藤整、山田風太郎らは、日本の太平洋戦争突入から敗戦までをどう受け止めたのか。勝利に歓喜する者、敵への怒りに震える者、無力感から諦念に沈む者…。作家たちの戦時の日記に生々しく刻まれた声に耳をすまし、国家の非常時における日本人の精神をあぶり出す傑作評論。巻末に平野啓一郎との対談を収録。