教育・農村・女性問題について幅広く評論活動を行ってきた丸岡秀子は、八十路を越えた時、その活動を同志として共に支え合ってきた五十代の娘に先立たれた。娘への鎮魂の思いを込め、また、封建的家制度をはじめ様々な差別に挑み続けた自身の生の証しとして綴った本書は、個の痛みを人間の尊厳と平和の願いに結晶させる。