二個師団増設問題やシベリア出兵から一九四五年の敗戦に至るまでの政軍間の角逐を丹念に追いながら、総力戦体制の構築と統帥権の独立という、相反する指向の対立と妥協の産物として、「軍部による合法的・間接的支配」、「軍民融合型支配」が最終的に成立したことを明らかにする。著者の長年にわたる研究の集成。