アジア・太平洋戦争の敗戦後、生き残った兵士たちは復員し、市民として社会の中に戻っていった。戦友会に集う者、黙して往時を語らない者…兵士としての不条理な経験は、彼らのその後の人生をどのように規定していったのか。「民主国家」「平和国家」日本の政治文化を底辺から支えた人びとの意識のありようを「兵士たちの戦後」の中にさぐる。