著者は弁護士当時からビジネス弁護士ではありませんでした。つとめて市民感覚をもって地域のためにパブリックに生きた弁護士でした。そしてこの感覚をもって裁判官になりました。キャリア裁判官の一つの特徴である立身出世とまったく無縁に支部勤務を希望し、地方で良寛のように生き生きと裁判官生活を送ってきました。市民が求める理想的裁判官の一人です。本書にはこのような体験が随筆風に楽しく語られています。