ファシズム支配下の日本の知識人の軌跡を通して「転向」の事実と意味を問い直し、それがわが国の精神史を貫く「文化の鎖国性」という特質と通底することを明らかにした本書は、知識と思想のあり方に反省を迫る独自の日本文化論でもある。現代日本思想史前篇。