近代文学の名作を彩る六人のヒロインを選び出し、時代の風俗と共に移り変わる女性の意識を浮かびあがらせ、著者独自の身体論・文化記号論を自在に援用して、小説の構造・作家の意図や仕掛けの妙味を読みといてゆく。女性心理を鍵に、物語世界の真髄を解き明かす名講義が鮮やかによみがえる。