茂吉(1882‐1953)は近代短歌の第一人者であり、日本の近代精神を体現した文学者の一人でもある。40年にわたる作歌活動によって生まれた全短歌から1688首を精選した。初期の生命感の躍動するなまの表現から、次第に複雑な人生の味わいをたたえる沈静へと移ってゆく。本歌集は、茂吉という個性あふれる作家の、精神の自叙伝でもある。