難解といわれるフォークナーの「語り」の魅力がストレートに、のびやかに発揮されている作品4篇。傑出した狩猟物語であり、少年の精神の成長史でもある『熊』、止まらないシャックリをめぐって語られる、南西部ユーモアにみちた『熊狩』…。ここには人々を、とりわけ少年を温かく見まもる人間フォークナーの優しいまなざしがある。