19世紀中葉のロシアの作家アクサーコフ(1791‐1859)が豊かな体験を生かして書いた川釣りの物語。著者が釣り糸をたれた河や湖のたたずまい、魚たちの生態が四季の移り行きを背景に活き活きと描かれており、叙述はおのずから一種の散文詩をなしている。同時代の批評家は本書の刊行を「ロシア文学上の一事件」とまで激賞した。