20世紀を代表する作家モラーヴィアの処女作。主人公の青年ミケーレは、自分をとりまく現実と自分とのずれを意識している。が、あらゆる行為に情熱が持てず、周囲に対して徹底した無関心におちこんでゆく。ローマの中産階級の退廃と、苦悩する若者を描いたこの作品は、当時のファッショ政権から発禁処分をうけた。