人間の肉体だけでなく、魂をも破壊した"アウシュヴィッツ"という死の世界を体験した者が、いかにして普通の世界に戻っていくのか、いかにして一度失った生を新たに獲得していくのか-。絶滅収容所を奇跡的に生き延びた主人公=作者レーヴィ(1919‐87)が、故郷イタリア・トリーノに生還するまでの約9カ月の旅の記録。