3には、「絶対矛盾的自己同一」、最後の宗教論など、最晩年の6年間に書かれた論文より5篇を収録。表題作には、直観と反省の内的結合としての自覚の立場から、「私と汝」「個は個に対して個」という著者の一貫して追求した問題が究極的に提示される。このように孜々として思索を深めた西田は、敗戦間近かの1945年5月に死去。