前近代的なものや大衆芸術を否定的媒介としてモダニズムをこえる方法を模索、鋭い歴史意識をもって批評活動をおこなった花田清輝の柔軟な思考スタイルは、その文体の魅力とあいまって今日も読む者を刺激しつづけている。「仮面の表情」「物体主義」「柳田国男について」「美味救世」など批評の面白さを満喫できる29篇を収録。