白エプロンにたすきがけ、やかんを下げ、あるいは小旗をふって出征兵士の見送りに、帰還兵士の出迎えにくり出した婦人たち。昭和七年、わずか四十人で発足した一つの組織が十年後には一千万にふくれ上り、日中戦争下の銃後体制を支える要の一つとなる。国防婦人会の活動に焦点を合わせて、民衆動員の様相を鮮やかに描く銃後の社会史。