中世の日本図に描かれた架空の陸地「羅刹国」と「雁道」。信仰世界の描出としてくり返し作成された仏教的世界図…。これら"荒唐無稽"な古地図に託されたメッセージとは?前近代を特徴づける幾つかの異域を手がかりに、その成立の謎や変容・消失過程をさまざまな絵地図のなかに読み解き、人びとの世界認識の変遷をさぐる。