日本の近代史の画期をなした岩倉使節団(明治四‐六年)の見聞とその意義を、随行した久米邦武の名著『米欧回覧実記』(明治十一年)によってたどり論じる。この以後の日本近代が直面することになる諸課題を検討し、そのアジア認識や日本観の射程を測りながら、使節団の歴史的意義を大きな視野の中でコンパクトに論じる。